3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

若き日のゲーテ

 『マリー・アントワネット』では、9ネットの結婚に向けての記述が続いていますが、その中で興味を引く登場人物がいました。
 この人物は、マリー・アントワネットの結婚のために造られた施設に飾られた芸術作品に、ほかの人たちが見いださなかった否定的な意味を見つけ出します。
 天才的な人物として描かれているこの人は、若き日のゲーテでした。意外な人物の登場が当時の背景に垣間見させてくれて、おもしろいと思います。

政略結婚

 『マリー・アントワネット』の冒頭には、アントワネットが結婚することになる背景が記されています。
 2つの王朝が対立して戦争をすることがないようにと、女帝の娘であるアントワネットが王の孫の妻になるべく結婚することが決められました。絵に描いたような政略結婚です。
 母親の心配について触れられていますが、アントワネット自身の感情についてはまだ記されていません。

ツワイク『マリー・アントワネット』

 今日からツワイクの『マリー・アントワネット』を読み始めました。
 岩波文庫に収録されている、高橋禎二氏と秋山英夫氏の訳によるものを読んでいます。
 ドイツ語の名前のようですので、ツヴァイクとするのが正しいように思いますが、読んでいる訳の作者の表記を尊重します。
 『一平凡人の面影』という副題が、マリー・アントワネットをどう捉えて描いているかをよく示していそうです。

『イリアス』を読み終えました

 『イリアス』を読み終えました。
 話の舞台になっている戦争の途中で決着がついていないことから、中途半端である印象もありますが、ある勇士が葬られるところで終わっていて、その場面はクライマックスにふさわしい描かれ方です。そして、その前にある、死体の受け渡しを巡って話し合う2人の男性がそれぞれ涙を流す場面が心を打ちます。
 次は『マリー・アントワネット』を読む予定です。

王の旅

 『イリアス』をもうすぐ読み終えられそうです。最後は、攻められている町の王が戦場で命を落とした息子の遺体を受け取る話で終わるようです。
 財宝を荷車に積んで王自らが遺体を渡してくれるように頼みに行きます。道中で危険もあるでしょうが、それを恐れて動けなくなることなく向かっていく姿に息子に対する愛情を感じます。

自己憐憫

 『イリアス』のある登場人物は、その大事にしている息子の命が戦場で奪われ、しかもその遺体は敵に持ち去られてしまいました。
 その悲しみのあまり、大きな権力と富を持っているにもかかわらず、自分のことを不幸であると人に言います。
 もちろん、つらいことを経験してはいますが、日々もっとつらい境遇で生活している人たちにとっては、この人物に自分は不幸だとは言ってもらいたくないのではないでしょうか。
 自己憐憫はまわりの人にとっても影響があると思います。

神による保証

 『イリアス』を読み進めて結末に近づいてきました。
 ある登場人物が、神から本来ならば危険を伴う行動をするように促されます。しかしながら、それをしても危害を加えられることはないということも伝えられます。神が保証を与えたといったところでしょうか。
 危険性があることを、危害を加えられることがないかを心配しながら実行するのが通常の人生だと思います。この作品を読みながら同じことばかりを考えている気がしますが、やはりここで描かれているような神の介入には違和感があります。