3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

サン=テグジュペリ『夜間飛行』

 サン=テグジュペリの『夜間飛行』を読み始めました。新潮文庫に収録されている堀口大學氏の訳によるものを読んでいます。
 今は航空便には深夜便がたくさんありますが、かつては夜に飛ぶことは少なかったようです。そういう時代にあえて夜間飛行をする人物が描かれているということと理解しています。

『ファウスト』を読み終えました

 今日、『ファウスト』を読み終えました。
 最後はそれまで続いていた様子から大きく状況が変わって終わったように受け止めました。どうしてそういう結末になったのか理解できずにいます。
 悪魔と戯れることの恐ろしさについて考えましたが、それだけで終わる話ではないようです。

悪事の程度のコントロール

 『ファウスト』の今日読んだ箇所では、ある登場人物が人に悪事を働くことを命じます。
 ある程度のところで制限をかけるように指示をしたつもりが、指示をされた側はそれよりも悪いことを行います。悪事の程度をコントロールできると思ってしまうかもしれませんが、実際そのようなことはできないと思います。想定していたよりも悪いことを行うようにエスカレートしてしまうのが人間の習性であると考えます。

国家と宗教

 『ファウスト』に信心深くはなさそうな君主が登場しますが、それでもキリスト教の教会から影響を受ける様子が風刺らしく描かれています。
 戦争で勝利を収めて権力の基盤を強化したときに聖職者が近づいてきて、脅迫めいた寄進の勧めを受けます。
 モデルになるようなできごとが実際にあったのでしょうか。

掠奪

 『ファウスト』の戦争に関する記述の中で、ある陣営の本部のようなところでの掠奪の場面を読みました。
 金貨を前掛けに包んで持っていこうとしたら、前掛けに穴が開いていてそこから落ちてしまう、というような滑稽であるように受け取れるところがありました。舞台で上演していると、よりおもしろそうです。

悪魔のまやかし

 『ファウスト』を読んでいて、悪魔のすることで悪魔らしいと思うものが出てきました。
 小さいものを大きな危険があるものであると見せかけて、人々を惑わしていました。ないものをあるようにするのではなく、危険がないものについての見方を変えさせて恐れさせるというのは悪魔のやり口らしいと感じます。

戦闘のシーン

 『ファウスト』の新しい幕へ進むと、主人公が戦争に参加する場面になりました。
 しばらく続いていたギリシャ神話が背景になっていた記述から、戦闘のシーンへと移りました。主人公が元々戦争についての知恵や経験を持っていたような印象はありませんが、それらがあるかのように振る舞っていると思います。