3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

空での孤独

 『南方郵便機』で、前回の記事で触れた孤独とは別の種類の孤独を主人公が味わっていそうな場面を読みました。
 天候が不順で操縦にプレッシャーがかかる中で、乗組員としての仲間の機関士に話しかけても話が通じない様子が描かれていました。近くにいるにもかかわらず心が通じ合っていないようです。ただ淋しいではすまず、命に関わる問題になるかもしれません。

淋しさ

 『南方郵便機』を読み進める中で、無意識主人公の淋しさが伝わってきました。パリという大都市で人がたくさんいても、心がつながる相手がいない、という状態であると思います。
 パイロットとしての仕事で孤独には慣れていると考えますが、それとは性質の異なる孤独を感じているようです。

信念

 『南方郵便機』で、主人公がもう一人の人物と一緒に生活の状況を変えようと試みる場面を読みました。
 しかし、文中に記述がありますが、信念がない状態での試みだったようです。成し遂げる決意がなければ物事がうまくいかないのは当たり前であるように思いますが、改めてそのことを考えさせてもらいました。

歯の詰め物の詰め直し

 今回は本とは別の話題にします。
 先日、歯の詰め物が取れてしまいました。その2週間前に詰めてもらったばかりのところでした。すぐに同じ歯科の予約をして再度詰めてもらいました。
 それほど意外には思わなかったのですが、診察料はしっかり取られました。詰め物が取れるまでの期間がもっと短ければ無料になったのかもしれませんが、納得感の薄い請求でした。

無意識のうちに現れる育ち

 『南方郵便機』に登場するある人物は、裕福な家に生まれて育ったという設定になっています。
 その人物が訳あって、同じように裕福ではない人と一緒に生活しようとする中で、無意識のうちにその違いを現してしまうようなことを言う場面がありました。
 そのことがほのめかされるだけでなく、自分でそのことに気がついた様子が描かれていることから、理解しやすくしてくれています。

主人公と親しい女性

 『南方郵便機』の記述はしばらく、語り手である「僕」からも主人公からも離れます。
 主人公と親しいある女性が中心になって話が展開し、そこに主人公も関わっていきます。身体への暴力は振るわないまでも、精神的には大きな打撃を与える夫が出てきますが、時代も地域も異なっても、そういう男はいるものなのでしょうか。