3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

「青年時代」という章

 『少年時代』にも同様の章がありましたが、『青年時代』にも小説自体の題名と同じ「青年時代」という題のついた章があります。

 その章では、大学に入学する前の時期を田舎で過ごしていたときの、自然の中での生活が描かれています。そばには家族と使用人だけがいて、友人は近所にはおらず家族とたくさん話していた様子でもないので、人と話して過ごすよりも、本を読むことや考えごとをすることに多くの時間を使っていたのではないかと思います。ゆったりしていると受け止めたせいか、ほかのいくつかの章ほどには印象に残りませんでした。

 その次の章から、主人公の家庭の中でちょっとした事件のようなことが起こります。ネタバレを避けたいので詳しくは書きませんが、主人公の父が大きい決断をします。読み進める中で、読んだことはないけれども少し筋を知っている、同じくロシアの小説の中で主人公の父がしたらしいことを思い出して、それと似ている気がしましたが、さらに読んでいった結果、両者で描かれていることはそれほど似てはいないのだろうと思いました。