『大地』の登場人物は、大地主になった人物の二代目である3人の息子たちのほかに娘たちがいて、さらに先代の妾たちもいて、入り組んでいます。
息子たちの先代の遺志を尊重する心が乏しいのに対して、1人の妾はその遺志をとても大切に思っていて、そこに対立が生まれます。その対立は土地を巡るものです。
人間が耕して作物を収穫してそれを食べて命をつなぎ、命が終われば帰る大地は、人間にとって財産にもなり、それ故に争いの理由にもなります。弱い存在として描かれている妾にとっては、平常時にはないほどの強い姿勢を取らせる理由にもなっています。
大地は、ほかにもさまざまな影響を人間に与えそうです。