3年目の世界文学全集への挑戦

40代既婚の男がふと思い立って世界文学全集に挑んでいます

日記

『狭き門』を読み終えました

読んでいた『狭き門』は、残りのページ数から考えていたよりも早く結末を迎えました。 主人公の愛する女性による不可解な言動の理由は、途中で思ったものとは異なりました。『狭き門』という題名がつけられているように、門が狭いことを巡って話が展開します…

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』

今さらですが、今年中に書いておきたいことを思い出したので、今日はその話題にします。 今年は、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』で主人公たちが訪れた未来の年でした。第一作を公開時に劇場で見たもののPART2は見ていませんでしたが、先日、第…

不可解な言動の理由

昨日も書いたとおり、『狭き門』の主人公は、その愛する女性との関係について戸惑いがあるように思います。そして、思い悩んでもいそうです。 今日読み進めながら、かつて読んだ、同じく海外の小説のことを思い出しました。ネタばれを避けるためにその小説を…

戸惑いを感じさせる恋愛

『狭き門』の主人公とその愛する女性との間の関係は、互いに想い合っているのでしょうが、なかなか一筋縄ではいきません。 兵役のためにしばらく会うことができずに手紙で連絡を取り合うことになったり、会うことができてもすれ違いのようなものがあったり、…

詩についての知識

『狭き門』にはラブレターのようなものの中身についての記述がありますが、その中で詩が引用されている箇所があります。主人公の友人が、詩の一節に関して、その著者がだれであるかについてほかの人が思い違いをしているのを正すところもあります。当時のフ…

忘年会

今回は本とは違う話題にします。 今は12月で、忘年会の時期です。今の勤め先はそれほど大きな規模ではありませんが、全員の参加が難しいような人数ではあることから、忘年会があるとはいえ参加しなくてもどうということはありません。それよりも小さい単位…

結婚観の変化

『狭き門』は、主人公による若い頃のことの回想で話が進んでいます。その中心はこれまでのところ、恋愛です。 フランス人というと、法律上の結婚よりも事実婚が多いという印象を持っていましたが、この小説の中では登場人物の結婚とその前段階としての婚約に…

ジッド『狭き門』

今日、ジッドの『狭き門』を読み始めました。 新潮文庫に収録されている山内義雄氏の訳によるものを読んでいます。 昨日まで読んでいた『大地』と比べてかなり字が大きくて見た目は読みやすいのですが、一人称による主人公の考えについての記述に理屈っぽさ…

『大地』を読み終えました

『大地』を読み終えました。 最後の場面は良かったです。身近にあっても手に入らないものや失ったものがあるとして、人間に最後に残るものは何か、といったことを考えさせてもらいました。そして、自分としては納得のいく答えに導かれたと思います。 世代を…

結末に近づいてきました

『大地』を読み進めてきて、かなり結末に近づいてきました。 今日読んだあたりで状況に変化があり、ここからはもうあまり大きく展開していくことはないかもしれません。二世代目と三世代目の登場人物たちの何人かにとって重大なできごとが起きています。人に…

成功の中での不満

『大地』の終わり近くでは、革命によって社会の体制が変えられてきています。 革命軍の側に身を投じていた登場人物はその動きに乗じて成功を収めている様子でしたが、さらに読み進めてみると思い通りにはいっていないようです。若くして高い地位に昇進し、さ…

一部の人の切り捨て

『大地』の三世代目の一人は、社会情勢の変化にうまく乗って高い地位につきます。 理想の国家をつくるために、もともとは助けようとしていた貧しい人々を切り捨てようとしている様子があります。新しい思想を持った若い人たちだけで新しい国をつくりたいとい…

恋愛の自由と恋愛しない自由

『大地』の第三部では、古い中国と新しい中国が併存している様子が描かれています。併存の状態をわかりやすく表すものとして取り上げているのか、その前まではなかった恋愛についての描写にけっこうなページが割かれています。 登場人物の一人の男性が心を寄…

自由の使い方

『大地』の第三部は、中国での時代の大きな変化を示しています。それまでの伝統で当然だとされていたことが捨てられ、特に若く財力のある人たちは自由を獲得したようです。 結婚相手を自由に選んだり、結婚したくなければしないという選択をしたり、というこ…

人とのつながり方の学習

『大地』の三世代目の中心人物には、人と親しくなっても結局は離れてしまう、ということが繰り返しあって、孤独になってしまいます。 学業の面で目をかけてくれて、家に招いて家族ともつき合うようにさせてくれた教授とその家族との間でも、最終的には距離が…

自分の国に対する見方

『大地』の三世代目の中心人物は、海外に留学している間に自らの国に対する誇りを強く持つようになっていきます。 実際に、中国には長い歴史がありますし、重要な思想や発明も生まれていますので、正しい誇りを持っていたという面があると思います。しかしな…

新時代のアメリカ人

『大地』の三世代目の中心人物は、留学先で、指導してくれている教授とその家族と親しくなります。教授の娘が、その国へ移民が来たことや、人々が支配する領域を広げて海にまで達したことを伝えていることから、この留学先はアメリカということでしょう。 教…

大地との接し方

『大地』という題名にふさわしく、登場人物が留学先でその地と自分の祖国である中国との間の大地との接し方の違いについて考える箇所がありました。 中国では人々が土に帰ることが長い間繰り返されて骨が土に埋まっており人間と大地とが近いのに対して、アメ…

マンションの管理組合の総会

今日は本ではない話題について書きます。 最近、住んでいるマンションの管理組合の総会に出席しました。ある議題について、出席者の一人が良い問題提起をしてくれました。その意見は、適切に取り上げるならば、その議題について提案されていた原案どおりの可…

人種による差別

『大地』の三世代目の中心人物の留学先はアメリカだったようです。最初はイギリスかと思いましたが、土地の大きさや歴史が長くないことについての描写からそのように思われます。 残念ながら、渡航してすぐの頃に人種による差別を受けたという記述があります…

海外留学

今日は、4巻に分かれて出版されている『大地』の第3巻の終わりから第4巻のはじめのあたりまでを読みました。 かなり急な展開で、三世代目の中心人物は、命の危険にさらされた後に海外へ留学に行きます。外国語に習熟していたというようなことはそれまでに…

男女関係のとらえ方の変化

4巻に分けられている『大地』の第3巻が終わりに近づいています。三世代目の中心として描かれている人物が、結婚に関する父親との対立をきっかけに大きな決断をすることになりました。 男女関係についての考え方の世代間の違いについてはこれまでも記述があ…

チェロとハープのコンサート

今回はまた本と違う話題にします。 先日、チェロとハープのコンサートを聴きに行きました。演奏も良かったのですが、合間での話も新しい学びがあってためになりました。 「世界の車窓から」というテレビ番組のテーマ曲は溝口肇さんという自らもチェロを演奏…

大都市での新しい経験

『大地』の三世代目の人たちは数人が大都市にいて互いに交流があります。その中心として描かれている人物は、たくさんの新しい経験をしています。 異母妹に連れられてダンスをしに行ったり、血のつながっていない母親の悩みを聞いて助けになろうとして行動し…

学のある血のつながっていない母親

『大地』の三世代目の中心として描かれている青年は、汽車で大都市に行って自分の母親ではない父親の妻を訪ねます。 この血がつながっていない母親は、新しい時代の女性です。自らは夫の兄夫婦の差配による縁組みで結婚していますが、この青年のことも含めて…

PayPalの障害

今日は本以外の話題です。 最近買ったNexus 5Xのためのケースが欲しくて国内のショッピングサイトを見ていたのですが、これだと思えるものがなく、アカウントを持っていながら一度も買い物をしたことのないeBayでも探してみました。すると、イギリスから発送…

向き合う親子

『大地』に出てくる親子関係は、しっかりと互いに向き合うことができていない関係が多かったのですが、一組の親子は仲良くなりはしないまでも向き合うことができるようになってきていると思います。 もともと父親は息子の教育に強い関心を持って、そばに置い…

再度の世代交代

『大地』の第二部を読み終えて第三部に入りました。 二世代目の人たちの老いについて言及されるようになってはいましたが、思ったよりも早く三世代目に話の焦点が移りました。 新しい世代が中心になっていくところの入れ替わりのしかたが鮮やかでした。もと…

祖母の面影

『大地』の二世代目の人たちも年を重ね、その子の世代が大きくなってきました。 三世代目の1人について、父親が見ていて自分の母親を思い出す場面が印象に残りました。母親とはつまり、第一部の主人公の正妻です。 この女性は、親に売られてお金持ちの家で…

新たな世代の結婚相手探し

少し前に、結婚相手の決め方について書きました。今日読んだ箇所では、それについて世代間で起こった衝突が描かれています。 二世代目として出てくる親の立場の人たちが子の結婚相手は親が決めるものだと考えているのに対し、その次の世代には自分が決めるも…